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下​世​話​な​は​な​し

by glider

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1.
金沢八景は殺風景 見慣れた風景  彼女の実家はスミソニアン ハネムーンの真似事をしたくて 電車に乗って30分 唇を噛んで 「甘いものが食べたい」と宣ふから 途中下車する 未亡人とバンビ 羽田空港は大繁盛 飛行機を待って 彼女はずっと音楽に夢中 ユニコーンの新譜を聴いていた 気を遣い過ぎて気狂いになってしまった 哀れな仔鹿よ 破れかぶれの雑誌 握りしめていた 何故か俯いていた彼女が女優のようにニヤッと笑うから あゝ、なんか泣けてくる 苦しいはずの彼女が子どものように無邪気に笑うから もうどうでもよくなった 「善は急げ」というし僕らは先を急ぐ ルイジアナ州で I need you,言えはしないが  彼女の事、思ってるんだ 気付いてるんでしょ? 未亡人とバンビ 気が付けば一人 はぐれてしまったようだ 愛しき未亡人 埃まみれの日記 読み返していた いつも近くにいた仔鹿が手品のようにフワッと消えるから あゝ、なんか哀しいな 彼のいない暮らしは小雨のように寂しいけど もう好きにしてもいいよ 「住めば都」というし大丈夫、気にせず先に行ってくれ 未亡人とバンビ
2.
リップクリームが描いてたキスマーク 苺模様の下着に見惚れて目が覚めた アイスクリームは太陽に溶けて 苺ミルクの土砂降りに遭って雨宿り 彼女の魅力は言い表せないけれど 氷のような瞳 氷のような唇 Girl meets girl 優柔不断な彼が教えてくれた Girl meets girl ランデヴーの理由は砂の国に落ちた涙 Girl meets girl 傍若無人な彼女が教えてくれた Girl meets girl 蜂蜜が溶けてく、夜はますます更ける アイスクリームはトロトロに溶けて 苺ミルクは真空管で破裂する Girl meets girl 優柔不断な彼は消えてしまった Girl meets girl ランデヴーの理由は君の頬を伝う涙 Girl meets girl 傍若無人な彼女が隠してた嘘 Girl meets girl アリバイの無い夜、白い月が浮かんでいた 運命だと信じさせて 神様など信じちゃいない Girl meets girl 優柔不断な彼は死んでしまった Girl meets girl 笑い事じゃない、と君は涙を流す Girl meets girl 傍若無人な彼女の手のなる方へ Girl meets girl 幸せな最期さ、エンドロールは流れる Girl meets girl
3.
透明拘束 04:51
久しぶりだね、君は覚えてないだろうけど 旋毛から爪先まで全てが初めてだ 夕日が差し込んだ、君と金沢文庫を歩く 称名寺の桜を見て二人笑いました 暗くなっても、君は変わらずはしゃぎ回り とりとめもない嘘を自慢げに話してる 空気が澄んできた、僕ら行先なんて決めずに 東名高速に乗って夜と遊びました 人の優しさに付け入って 全てを食い尽くす化け物は この無邪気な横顔も喰うのだろうか? 仮に科学が進歩して タイムマシンが出来たとしても 僕は何処からやり直せばいいの? 思い出すのは自縄自縛の女の話 美化されたエピソードは嫌いじゃないけれど それでもまだちょっと 疑うのならばいっそ死ぬまで  種明かしもしないまま 偽善の愛に沈めばいい 人の悲しみに寄り添って 一部始終を見てた君以外 この透明な縄に気付かないでしょう? 仮に頭が冴えてきて 他人の心を読めたとしても 僕は何にも言えそうにないよ 伊豆でいつか見た星渦も いずれ忘れてしまうものならば ねえ、どうしてこんな事するのでしょうか? 仮に世界がループして すべて元に戻ったとしても 僕はまともに振る舞えそうにないな… 君をおだてるための玩具に抱かれながら 君を寝付けるための甘い海に溺れていく 君を愛するための言葉を探しながら 君を縛る縄を少しずつ緩めていく
4.
朝焼け、キルフェボンのタルトを切り取ったような太陽 今朝見た夜明け烏を全部 殺してもう一度君に会いたい 真夜中、静まり返った劇場では 愛憎の欠片なんて見えないぜ 飴と鞭、薔薇の花、飲み干して壊れた 語呂合わせみたいな自分の未来を呪って 過去の亡霊と間抜けな歌をうたった イヤホンから流れてくるファズの音が 変わらぬこの日常 君が笑うだけで終わるこの世界 こんな約束も守れない僕を見て君は何を想うだろう? 彼女 likes Numbergirl 岸根公園で夜明けの刻を待った テレビの中、映る君に見惚れていた 消えてくこの日常 君が歩くだけで止まる人だかり あんな花束を抱えた君を見て僕は何を想えばいい? さよならこの日常 君が目を覚まして終わる物語 こんな本当にしょうもない夢を見て僕は今日も生きるのです 彼女 likes Numbergirl 彼女 is like a Numbergirl
5.
higasism 04:19
レイディアントシティ あそこから眺める景色はどうせ、 とっても綺麗なんでしょう? 隔離された君に会って 気付いたことと言ったら 手錠をはめていたこと 全てを見抜けるように 裸になって眠っていたい、 君が許すかぎり 5月の小雨のように 冷たい空気と肌に触れて 幸せを否定してみよう あの川、渡れば 気が狂って 僕はもう笑顔で泳ぐ 疲れた、薬飲んでもう寝よう 菊の花は咲いて日が沈む 「あの娘はたしかミスドで働いていたな」、なんてことを思いながら 「学生時代の僕らは似た者同士だったね」と、溜め息を吐いていた あの山、上って 戻ってきた 君はもう朝まで踊る 疲れた、煙草吸ってもう寝よう 菊の花は枯れて日が沈む 朝が来る 隔離された君に会って 気付いたことと言ったら 指輪をはめていたこと
6.
狭い世界 05:57
世界は縮こまっていく  涼みたければ海の公園へ 落ち着きたけりゃ野島公園まで散歩すればいい 外に出かけりゃいい ラーメン食べたいなら いっぱい店はあるし 鬱陶しいなら 誰かに会えばいいし だからここにいる 世界はますます狭まっていく 涼みたければ洗面所に行け 落ち着きたけりゃロフトの上まで移動すればいい 外に出なくていい ラーメン食べたいなら 我慢すればいいし 鬱陶しいなら 早く寝ればいいし 今日も眠れない 京都でも甲子園でもアメリカでも鎌倉でも どこでもいいから誰か連れってて 人がいる所でも ノルウェイの森でも構わない  しかし、長いながいホリデイもそろそろ終わりです 面倒な事はやりたくないし 鬱陶しいならいっそ死ねばいい 何も聞こえない 何も見えない 鬱陶しいほど秋の気配がする 今日も息をする ちょっとでも、一日でも、空いてる日があったならば ディズニーランドに行けばよかった 9月は人少ないし It’s a small worldに乗って  ここは夢の国であることを実感して 今日までにやるべきこと 誤魔化さずに終わったなら 市立図書館にちょっと行こう 世界遺産の図鑑を 舐め回すように見て笑う  ここは狭い世界だということを実感するのです 長いながいホリデイもあと三日で終わりです

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released July 23, 2016

Words : Tatsuma Matsuo
Music & Produced by glider

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glider Yokohama, Japan

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